前回、2年目の「精神的ストレス」や「先輩への気遣い」について書きましたが、それでもこの1年間を**「割かし余裕」で乗り越えられた**のも事実なんです。
なぜなら、仕事の内容が「雑用」から「臨床」へ一気にシフトしたから。
1年目は掃除や受付、マナーで怒られることが多かったけれど、2年目は「鍼灸師として生きていくための武器」を磨く毎日。
忙しさは倍増したけれど、精神的な充実感はまるで違いました。
今回は、そんな2年目の具体的なステップアップと、あたしを支えた「目的」について書いてみます。
まずは「施術」に入る機会が増えた事
2年目の最初は、とにかく「施術」に入る機会がグンと増えました。
先輩が辞めた穴を埋めるためとはいえ、毎日何人もの患者さんの体に触れられるのは、この上ないチャンス。
教科書で習ったツボの位置と、実際の人の体の反応は全然違います。数え切れないほどの手技を繰り返す中で、指先に染み込んでいきました。ただひたすらに施術をこなす日々でしたが、これが後の自信につながる「土台作り」の時期だったなと思います。
「検査」で痛みの原因を探る
施術に慣れてくると、次は「検査」のフェーズに入りました。
ただ痛いところを揉むのではなく、可動域(ROM)を測ったり、整形外科的なテスト法を用いたりして、「どこが悪いのか」を客観的に見る練習です。
実際にやると、本当に反応がでるので、地味に本当に陽性反応でるんだなと思いました(笑)
でも、検査がしっかりできるようになると、患者さんに「ここが動かないから、腰に負担がかかっているんですね」と論理的に説明できるようになります。
「感覚」だけの施術から、「根拠」のある施術へ。
鍼灸師としてのレベルが一段階上がった気がして、この時期の勉強は本当に楽しかったのを覚えています。
最難関の「症状の鑑別」へ
そして2年目の後半、初診に入るにあたりまずは「症状の鑑別」の暗記が始まります。
例えば「腰が痛い」という患者さんが来たとき、それが「筋肉の疲労」なのか、「ヘルニア」なのか、それとも「脊柱管狭窄症」なのかを見極める力です。
しびれの出方や、痛む動作、痛みの強さなど。
あらゆる情報を組み合わせて、見立てを立ててどんな検査が必要なのかを考えていきます。
でも、これこそが「開業して一人でやっていくために絶対に必要なスキル」。
この「臨床に直結すること」ばかりをやっていたからこそ、1年目より遥かに頭を使っていたのに、不思議と辛くはありませんでした。
なぜ乗り越えられた?「目的」があったからこそ
振り返ると、2年目が「割かし余裕」だった最大の理由は、やっぱり「開業する」という明確な目的があったからです。
もし、「なんとなく働いている」状態だったら、忙しさに忙殺されて辞めていました。1年目で(笑)
でも、あたしの中では「これは仕事じゃなくて、自分の店を持つための修行」という感覚でした。
「働きたいところがなくて関東に出てきた」
「今のうちに鑑別をマスターしておけば、開業した時に困らない」
「苦手な患者さんの対応も、将来の自分のため」
そう変換できたからこそ、どんなに忙しくても「ありがたいな」と思えたんです。
いよいよ勝負の3年目へ
臨床、検査、鑑別…。
鍼灸師としての基礎を叩き込んだ2年目が終わり、いよいよ3年目に突入します。
3年目は、技術だけじゃなく、もっと広い視野や責任が求められる時期。
そして、開業へのカウントダウンが現実味を帯びてくる時期でもあります。
次回は、そんな「鍼灸師3年目」の新たな試練と、開業に向けた具体的な動きについて書いていこうと思います


