この会社では、退職は「半年前に申告する」というルールがありました。
前髪事件で「もう無理、辞めよう」と心は決まっていたので、あとはいつ・どう伝えるかだけ。ちょうど院長と二人きりになるタイミングがあったので、「あの、すみません、お話があるんですけど」と切り出しました。
退職を切り出した瞬間
声をかけたとき、院長は「急ぎの話であれば今聞きますし、あとでもよければ」と、いつもの落ち着いたテンション。
正直、「今じゃなくても…」という気持ちも少しあったけれど、せっかくのタイミングを逃したらまたモヤモヤするだけだなと思って「あー…」と少し言葉を濁した瞬間、院長がスッと一言。
「退職するお話ですか?」と聞いてくれたので、「そうですね」と素直に伝えました。
おかげで、その日のうちにいちばん大きなハードルだった「辞めます」の一言をクリアすることができました。
「どうにか続けられないか」という引き止め
そのあと、落ち着いた場所で改めて話し合いに。
副院長から「どうにかして続けてくれないか?」という言葉もありました。
3年間、一緒に頑張ってきたからこその言葉だと思うし、素直にありがたいとも感じました。
ただ、自分の中では「絶対にこの半年後でないとダメ」というわけではなかったものの、引っ越し費用が比較的安い時期を狙いたい気持ちや、「辞める」と決めてから長々と働くのは、嫌だないう感覚がありました。
最終的には「すみません」と頭を下げつつ、そのタイミングで退職する形で話は着地しました。
ここで出てきた「有給問題」(笑)
そして、次に出てきたのが有給の話でした。
少人数の会社で、患者さんの予約もぎっしり。人が抜けることで迷惑をかけるのは重々分かっています。
でも、これまで勤務時間や残業については、わりと細かくルールや注意があった職場。
だからこそ、有給の話になったときに「何日ほしいですか?」と聞かれて、「え?」と思いつつ「すべてください」と正直に答えたところ…
「忙しいの、わかりませんか?」と言われてしまいました(笑)。
内心、「え、こういうときだけ都合よすぎやろ…」と思ったのは本音です。
もちろん、迷惑をかけている自覚もあるし、申し訳ない気持ちもゼロではない。
でも、これまで“働く側の義務”には厳しかったのに、“権利”の話になると途端に空気が変わる感じに、「ああ、やっぱりそういうところだよな」と思ってしまいました。
一気に加速した「早く辞めたいモード」
退職を切り出す前までは、「本当に辞めていいのかな」「もう少し経験積ったほうが…」と、どこかブレーキがかかっていました。
でも、有給のやりとりまで終わった頃には、完全に「早く辞めたいモード」が加速。
今まで我慢して見過ごしてきた小さな違和感たちが、「もう、ここまでで十分だよ」と背中を押してくれているように感じました。
そうやって、3年目は“耐え抜いた最後の年”から、“次のステージへ進むための助走期間”に変わっていきました。
次回予告:退職までのカウントダウンと、地元に帰省
こうして退職の意思を伝え、有給や時期も決まり、いよいよ「ここで働くラスト数ヶ月」がスタートしました。
次回は、退職を決めてからの3年目ラストスパートを書いていきます。
同じように「辞めどき」「有給どうする問題」「上司への伝え方」で悩んでいる人の、ちょっとした参考や気休めになれば嬉しいです。


